釣りデビュー
Oさんに釣りに連れてって貰った。
あうにくの雨天予定。
夜明け前、渡船のエンジン音と振動。
これは父だと思った。
このエンジンこそが父の作っていた物であり、父そのものに思えた。
昭和の高度成長期の、武骨で素朴な身震いだ。
上り坂の時代の男の、日本のお父さんの音だ。
……………
間も無く冷たい雨。 どうも今回は皆さん不漁のようだ。Oさんは棹を振るのも初めての私に色々教えてくれる。
風に流されて糸が絡んだり
初心者あるあるを連発し申し訳ない。
それでもイワシ3匹、ガシラ一匹を釣る。
Oさんはボウズと嘆いてたが
楽しそうで、 逆にありがとうと何度も言われてしまった。
魚はすぐ捌いてくれたので
適当に料理してみた。
とても味が良かった。
こういう時は放射能云々を気にしないように意識している。