財布の中の小銭まで、根こそぎ持ってった…
ギャンブラーさんがお給料日の金曜、うちで育った貝をひきとりに来ると言う。ヤフオクで売るからだ。
そのあとの連絡で、急にサイゼリアか王将ででも一緒に夕飯しようという。急なので夕飯も食べてしまったあとだった。
明後日の東京行きへのアポや準備で追われていて時間もだが、なにより精神的な余裕が無い。いきなりの大金の出費はこたえた。わたしの口座にはもう16万しか入っていない。現金は財布の中に1500円くらいか。
弁護士に相談したところ、結局謎の手数料として藤井にとられたお金は不当請求だった。
更新料+謎の手数料でごっそり持っていかれた。急な出費としては普通用意できない金額だ。突然の電話で驚いた。少なくとも一か月くらい前には、事前に書状などで知らせてほしかった。
結局、だまし取られてしまった。
六町からわざわざ大阪まで来てくれた不動産屋に何度か相談したが、不当請求とは教えてくれなかった。それくらいいいんじゃない?事務手数もかかるし、といったので、信じてしまったわたしのミスだ。まさか六町さんに悪意があるとは思わなかった。
敵ではないかもしれないが、少なくとも私の味方ではないことがわかった。
あくまでよく言えば中立、悪く言えば自分の利益だけで動くということだ。
私自身が納得しないお金を払ってはいけなかった。
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ギャンブラーさんに渡すヤフオク用の巻貝を昼間各水槽から集めて、瓶の中にセッティングしておいた。うちで育った巻貝さんたち、みんないい人に貰われて行くといいな。
夕方仕事上がりに受け取りに来た。そのとき、直るなら、、、と修理を頼んでおいたエアポンプを持ってきてくれた。
修理として1500円請求された。特殊な形の充電池にしてくれたという。その部品代だ。
工賃も払わなくてはいけないのに、1500円にしてくれた。かりにも将来一緒に、私の買う家に棲もうと言う話が出ている間柄だから、サービスしてくれたのかもしれない。
財布を見たら千円札と小銭しか無かった。ニンジンを買ったから、1500円無い。
すみません、と千円札を渡して、さらにお財布をさかさまにして、コインをじゃらじゃらと出して、一円玉まですべて渡した。
情けない。今度足りなかったぶん、数百円は改めて支払おう。おそらく1334円くらいしかなかったので、164円くらい足りない。
一円残らず出したら、1円玉まで全て持ってった…いや、当たり前なんかもしれないけど、…もしも、そこで一言、やせ我慢でも、
修理代はいいよ!今大金取られた直後で大変でしょ!給料日だったし、夕飯済んでるならデザートだけでも食べに行こうよ!なんて言ってくれたら株が爆上がりなんだけど(笑)
まあ、そこまでは夢見過ぎですハイ。完全に妄想入りました。
夕飯に行こうと言う。お金がないので…と断ったら、「今日『も』自分が出すからいいよ」と言う。「も」を強調されて驚いた。「なぜかそう言うことになってるし。ここ6回くらい、何故か俺が続けて出してるよね」と続けられた。いつも払うと言ってもいいよいいよと言ってくれていた態度が、豹変した。
わたしが今まで見てきた男性は、おごってくれる人はあまりいなかったので、
この人はさすが上場企業に勤めているせいか、初対面からほとんどおごってくれていた。出すと言ってもこちらに出させなかった。
それを凄い珍しい人だなあ、ありがたいなあと思っていたが、なんとカウントまでしていたことに驚いた。
「そう言われたら余計行けなくなるよ。そういうなら、今までの食事代、まとめて払うよ」と答えた。
それに対しては何と答えて来たか覚えていない。おそらくまたたてまえ上「いいよ」とか言ったのだろうと思う。今まで通り。
「ひとりで何か食べて帰る」と言って、うちの巻貝たちを持って帰った。
なんだか悲しくなった。
この人と結婚して幸せになれる気がしない。
そもそも、わたしのことを少しでも愛している感じが全くしない。
ああ、だれもあてにできない。一人で頑張ろう、と思った。
ギャンブラーが帰った後、もくもくと東京行きの準備を続ける。